高血圧とは？

血液は、ご存じのように心臓から送り出されて全身をくまなく循環しています。この血液の流れによって、血管の壁に及ぼす圧力が血圧なのです。ちなみに心臓が収縮したときの血圧が「上の血圧」で、心臓が拡張したときの血圧が「下の血圧」です。
心臓から送り出される血液量が増加したり、送り出す回数（心拍数）が増えたりすれば当然血圧は上がります。また動脈の筋肉は、血液量に応じて収縮したり拡張したりしますが、この筋肉の働きが弱くなっても血圧は高くなるのです。この他にも腎臓や副腎の病気をはじめ、血圧が高くなってしまう原因は様々ですが、高血圧かどうかは血圧の数値が目安になります。
ＷＨＯ（世界保健機関）の基準によれば、正常な血圧は体を安静にして測った際の血圧の最高血圧（上の血圧）が140mmpHg未満、最低血圧（下の血圧）が90mmpHg未満とされています。そして、最高血圧が160mmpHg、最低血圧が95mmpHg以上の場合は、一般に高血圧症と診断されます。
さて、高血圧症は大きく２つに大別できます。
一つは、遺伝や環境によって起こる原因不明の「本態性高血圧症」です。これが、全ての高血圧症患者の80%を占めています。
もう一つは、血圧に関係した臓器の疾病が原因となって引き起こされる「疾病性高血圧症」です（一例として慢性腎炎によって起こる高血圧症ですが、この病気は腎臓の働きが悪化することで体内の水分が尿として体の外へ十分排出されないため、結果的に血液量が多くなり血圧が上昇してしまうというものです）。
いずれにせよ高血圧症は、厄介な病気です。なかなか治りにくいことも一因としてあげられますが、高血圧症は一般に自覚症状が少なく、早期発見が困難な疾病だからです。参考までに高血圧症の一般的な症状を挙げますと、疲れやすい、頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、吐き気、便秘、のぼせ、足の冷えなどこれといった特徴がないため見過ごしやすいので十分ご注意ください。
ですから、定期検診をきちんと受診するように心懸けて早期発見に努めるようにしてください。

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