Q.ツボを刺激すると、なぜ病気が治るのですか?
A.
東洋医学の根本には、「人間は自然の一部である」という考え方があります。ですから、自然の法則からはずれた場合に病気にかかり、もとの自然の法則に戻せば病気は自然に治ると考えられています。
言いかえれば、東洋医学では人体構造が「六(五)臓六腑」といわれる臓腑論が一般的であり、この「六(五)臓六腑」の働きが正常であれば健康、逆に不調ならば病気の状態であると考えられています。
この「六(五)臓六腑」の働きに深く関わっているのが「気」と呼ばれる一種の生命エネルギーです。そして中国では、私たちのからだの中に気が流れていると解釈されているのです。その気の通り道が「経絡」です(「経」は縦の流れを、「絡」は横の流れを意味します)。
「経絡」は網の目のようにからだ全体に張り巡らされていますが、その主なものが「正経十二絡」と呼ばれるもので、「六臓六腑」それぞれに対応しています(ちなみに「六臓」とは肺、脾、心、腎、心包、肝で、「六腑」とは大腸、胃、小腸、膀胱、三焦、胆をいいます)。「経絡」は、これら十二の内臓器官からからだの内部や表面を走り、それが手足や顔面に至り、そして手足や顔面から臓腑に帰るようになっています。つまり、心臓から送り出された血液がまた心臓に戻っていくように、気もからだの中を循環していると考えられているのです。
では、ツボとは何でしょうか。
ツボは、簡単に言いますと、気の流れが滞るといろいろな反応が現れる場所です。「正経十二絡」をはじめとする全ての経絡上に分布していて、その数はなんと千以上あると言われています。経絡という"線"の上に、ツボが"点"のように点在していると考えればわかりやすいと思います。
そんなわけで、内臓に何か異常があれば、それに関連する経絡の流れが滞りますし、経絡の流れが悪くなればその影響は内臓にも及ぼします。ですから、ツボに刺激を与えて、経絡自体がもっている自然治癒能力を高めてやれば滞っている気の流れがスムーズになり、内臓器官の働きも速やかになって、徐々に正常な状態に回復してゆくのです。
また、ツボを日頃から刺激していれば、気の流れをいつも正常に保つことができますので、病気への予防効果を高めることもできるわけです。
西洋医学では、体の悪い部分を探しだして病名を決定し、その病気に対して薬の投与や手術などを施すことで治療しますが、それに対して東洋医学は、人間が本来持っている自然治癒能力に働きかけ、患者の体質を改善し、根本から治していくものなのです。鍼やお灸の後、血液中の白血球や赤血球の数に変化が見られることは臨床的に確認されていますし、ツボ刺激は私たちの体の自然治癒能力をたかめるものなのです。
Q.ツボの見つけ方を教えてください。
A.
ツボは目に見えるものではありませんし、体の調子によって少しですが移動もします。
だからといって、ツボは見つけにくいものでは決してなく、素人の方でも簡単に見つけることができます。要は、押したり揉んだりして気持ちのいいところやちょっと痛みを感じるところ、からだの内部に響くような感じのするところを探せばいいのです。
ツボは、英語で「Pain Point」といい、中国語では「阿是穴」といいます(「阿」とは日本語で「痛い」、「是」とは日本語で「ここ」という意味です)。つまり、押してみて痛いところがツボなのです。事実、「気」の流れが滞っている場合にツボを刺激すると痛みを感じます。 ともかく、「ここだ!」とわかるまで自分であちこち押しながらツボを探してみてください。徐々にコツがわかってくるはずです。
当サイトでは、読者がツボを簡単に探し出せるように、なるべく図を入れて紹介しておりますので是非とも参考にしてくださいね。
※ちなみに当サイトでは、指1本を約1.5cmと計算して紹介しております。
Q.ツボの適切な刺激回数はどれくらいですか?またどんなときにやると効果的ですか?
A.
ツボを何回くらい押したらいいのか、または何分くらい刺激したらいいのかは、人それぞれによって、そして体調などによって異なります。
当サイトでは、一応の目安を刺激法で紹介していますが、基本的に1日に何回刺激してもかまいません。また、一度に何回押してもいいのです。ですが、皮膚にあざができるまで強く刺激する必要は全くありませんので、押してみて少し痛みを感じる程度がグッドです。
ツボ刺激法がより効果的に作用する時間帯は、朝起きたときと夜寝る前のリラックスした時間帯です。でも、その時間帯にこだわらず例えばテレビを見ながらや、通勤の電車の中など気づいたときに刺激すればよいと思います。 ですが一般に避けていただきたいのは、入浴前後の一時間に温灸刺激をすることです。この時間帯は血行がよくなっており、体の感受性が高まっています。ですから、強い刺激を与えると気持ちが悪くなる場合がありますので注意しましょう。また、疲れのひどいときや満腹時なども避けた方がよいでしょう。
Q.太っているためツボを刺激するのにたいへん力がいります。太っている人でも楽にツボを刺激できる方法はあるのですか?
A.
太り気味の人は、脂肪がついているため痩せている人に比べてツボを見つけにくいし、押して揉んでと刺激するにも非常に力が必要となり、ツボ健康をおこなうには一苦労です。
こんな方には、ゴルフボールを利用していただく方法を勧めています。ツボのあたりにゴルフボールを当て、手のひらでごろごろボールを押してください。すこしの力で心地よい刺激が伝わるはずです。是非、ツボ刺激専用に一つ買い揃えておきましょう。 また、こまかくツボを刺激する場合には、生米粒を利用すると大変便利です。
Q.ツマ楊枝で刺激するときに気をつけることは?
A.
ツマ楊枝の上手な使い方は、まず5〜10本のツマ楊枝をきちんと揃えてから輪ゴムで束ねて、ツボに垂直にあてて軽くトントンとたたいて刺激します。このとき、手首のスナップをきかせて、ツボに対して垂直にあてるのがコツです。皮膚がほんのり赤くなるまで刺激してください。
耳などにあるツボを刺激するときには、ツマ楊枝1本だけでリズミカルにたたいて刺激します。痛いと感じたときはツマ楊枝のとがっていない方を使って刺激しましょう。
ツマ楊枝が見あたらない場合は、ヘアピンやボールペン、口紅キャップ、万年筆キャップなどの刺激しやすいもを使いましょう。ただし、皮膚を傷つけないものを選ぶようにしましょう。
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